こちらの記事の目安: 10分
【こんなことがわかります】
ROICのベーシックな説明
目次
4:メリット、デメリット
5:業界別平均値
1: ROICとは
尚、似たような指標で ROEとROAがありますが、それぞれ使用する違うものです。
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本
ROEは自己資本を使ってどれだけ収益を生み出したか図る指標です。
株主目線での利益を図る数値とも言えます。
ROA = 当期純利益 ÷ 純資産
ROAは純資産に使ってどれだけ収益を生み出したか図る指標です。
2: 活用例
オムロンROICを導入する目的として
”ROICは事業のビジネス形態に関係なく平等に事業 のパフォーマンスを測れるという点”
こちらを挙げています。いくつかの事業モデルをもつが故、公平に評価するためですね。
そして現場レベルでROICを改善していくために、下記の逆ロジックツリーと翻訳式を導入しています。
引用元:ROIC経営2.0より
3: 算出方法
「ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本」
※ 税引き後営業利益は英語でNOPAT(Net Operating Profit After Tax)とも呼ばれます。
税引き後営業利益 = 営業利益 ✖(1ー実行税率)
※ 投下資本 = 有利子負債+株主資本
※ 利子負債は社債、銀行からの借入金、転換社債、コマーシャル・ペーパーなど一定の利子を付けて返さなければならないもの。
※ 株主資本 = 資本金、資本余剰金、利益余剰金、自己株式
分かりやすい表は日経さんのサイトにありましたので、引用します。
4: メリット・デメリット
メリット
・ROEやROAのように意図的な操作はできない
・本業とは関係のない営業外損益や特別損益などを排除して算出することで、本業の競争力や稼ぐ力が見える。
・複数の事業モデルを展開しているようなマルチドメインの企業なら、公平に評価できる。
デメリット
・概念が複雑なので仕事の現場に落とし込むには難しい
・成長期と衰退期の企業には活用しにくい (安定期の企業に向いている)
5: 業界別平均値
ここでは各業界の代表的なROICを集めてみました。
各業界によって違うので、必ず分析する企業の業界を参照して比較してみましょう。
下記は2021年の数値です。
全業界平均値 = 5.1%
全業界中央地 = 4.7%
まとめ
今回は「ROIC」を取り上げました。
ROEやROAのデメリットを取り除く新たな新兵器って感じですね。
ただROICを経営で活用するのには複雑化してくるので、目的に応じてROEやROA、そしてROICにするかは考え方次第ともいえそうです。
これからはROICも注目してみていきたいと思います。