【ストック用語スタディ】  ROIC

 

さぁ、GWにさしかかったところでもマイペースに続けて参ります、投資の単語勉強メモシリーズ!
今回は「ROIC」です。また何やらあやしい省略系単語が出てきました。
なんとなく甲殻類のようなイメージをほうふつとさせる文字ですね笑
そんなイメージとは裏腹に、どうやらかなり重要なお言葉のようです。
それでは勉強していきます。

こちらの記事の目安: 10

【こんなことがわかります】
ROICのベーシックな説明

 

目次

 

1:ROICとは
2:活用例
3:算出方法
4:メリット、デメリット

5:業界別平均値
6:まとめ

 

1:  ROICとは

 

ROICとはReturn on Invested Capitalの頭文字をとったもので、日本語では投下資本利益率となります。
企業が企業や債権者(銀行など)から調達したお金を投じてどれだけ利益を出したかを図る財務指標です。
他人資本である有利子負債も含む実質的な投下資本をベースにどれだけの利益を出したかがわかるので、
企業の総合的な競争力や稼ぐ力を判断できるのが特徴です。
尚、似たような指標で ROEとROAがありますが、それぞれ使用する違うものです。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本

ROEは自己資本を使ってどれだけ収益を生み出したか図る指標です。
株主目線での利益を図る数値とも言えます。

 

ROA = 当期純利益 ÷ 純資産

ROAは純資産に使ってどれだけ収益を生み出したか図る指標です。

 

 

2: 活用例

 

ここでの活用例は投資家目線のROIC活用ではなく、経営者側で経営効率を高める指標としてROICを活用したオムロンの事例です。

オムロンROICを導入する目的として

”ROICは事業のビジネス形態に関係なく平等に事業 のパフォーマンスを測れるという点”

こちらを挙げています。いくつかの事業モデルをもつが故、公平に評価するためですね。

そして現場レベルでROICを改善していくために、下記の逆ロジックツリーと翻訳式を導入しています。

 

 

引用元:ROIC経営2.0より

 

特にこの翻訳式はすごいですね。社員全員が直感的に理解できるところまで落とし込んでいるのがわかります。
ここまでやることにより全社でROICを向上することで経営効率性を高めているということですね。すごすぎです。

 

3: 算出方法

 

ROICの計算方法は下記の通りです。

 

「ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本」

 

※ 税引き後営業利益は英語でNOPAT(Net Operating Profit After Tax)とも呼ばれます。
税引き後営業利益 = 営業利益 ✖(1ー実行税率)
※ 投下資本 = 有利子負債+株主資本
※ 利子負債は社債、銀行からの借入金、転換社債、コマーシャル・ペーパーなど一定の利子を付けて返さなければならないもの。
※ 株主資本 = 資本金、資本余剰金、利益余剰金、自己株式

これだとよくわからんですかねわら。。。
分かりやすい表は日経さんのサイトにありましたので、引用します。

 

 

引用元:NIKKEIより

 

4: メリット・デメリット

 

メリット

・ROEやROAのように意図的な操作はできない
・本業とは関係のない営業外損益や特別損益などを排除して算出することで、本業の競争力や稼ぐ力が見える。
・複数の事業モデルを展開しているようなマルチドメインの企業なら、公平に評価できる。

 

デメリット

・概念が複雑なので仕事の現場に落とし込むには難しい
・成長期と衰退期の企業には活用しにくい (安定期の企業に向いている)

よく似た指標であるROEとROAとの比較チャートはDodaさんのサイトにわかりやすいものがあったので、ご紹介します。
引用元: DODA

 

5: 業界別平均値

 

ここでは各業界の代表的なROICを集めてみました。
各業界によって違うので、必ず分析する企業の業界を参照して比較してみましょう。
下記は2021年の数値です。

 

全業界平均値 = 5.1%
全業界中央地 = 4.7%

 

業界 数値
卸売業     5.7%
小売業      0.4%
建設業          1.8%
サービス業      3.8%
情報通信業      5.0%
不動産業      3.9%

 ※引用元 ザイマニ

 

 

まとめ

 

今回は「ROIC」を取り上げました。
ROEやROAのデメリットを取り除く新たな新兵器って感じですね。
ただROICを経営で活用するのには複雑化してくるので、目的に応じてROEやROA、そしてROICにするかは考え方次第ともいえそうです。
これからはROICも注目してみていきたいと思います。

 

 

 

 

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