【企業分析】 オーケー株式会社

 

概要

 

企業分析シリーズ第5弾は、神奈川県を代表するEDLPの重鎮、OKストアを運営するオーケー株式会社です。 神奈川をベースに関東に120店舗を展開するスーパーマーケットです。現在32期連続増収増益となっており、これは増収増益で小売業界では存在感のあるヤオコーと同じだったりします。そんなOKストアの強さの秘密を探っていきます。
※未上場ながら増収増益とわかるのは、株主が多いので有価証券報告書の提出義務があるため。

 

 

◆2021年8月の情報

企業名 オーケー株式会社
HP  こちら
代表者 代表取締役 会長 飯田 勧      代表取締役 社長 二宮 涼太郎
カテゴリー 小売業
親会社
グループ会社 株式会社 パンプキン (1999年に清算済)
設立 1958年
経営方針

 高品質、Everyday Low Price

経営目標

 借入れなしで年率20%の成長を達成する

Vision

オーケーがそばにあって本当に良かったわ!と思ってもらえるお店を作る。

社長理念

・不自由のない生活が出来るのは、みんなご先祖のお陰。
・積善の家には必ず余慶あり、善行を積むように心掛ける。
・正直な経営

 

上場 未上場
資本金 28億6,882万円
本社所在地 〒220-8755 神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-6
店舗数 120店
従業員数 11,945名 (21年3月期)
売上高 508,893  (百万円)
営業利益 32,780  (百万円)
経常利益  32,910  (百万円)
自己資本比率  42.5%
時価総額
PER
PBR
ROA      7.7%
ROE  17.96%
配当利回り   143.60円
平均年収  約325万
ビジネス
モデル
ディスカウントセンター・ディスカウントスーパーマーケットの経営
ターゲット 全年齢
強み 徹底した低価格戦略。無借金経営。
弱み 新店舗開発の鈍化
成長性 やや行き詰まりを感じる
脅威 人口減少、高齢化社会
競合  ヤオコー、ロピア、SEIYU など

 

 

 

事業内容

東京神奈川を中心にEvery Day Low Price(以下EDLP)のスーパーマーケットを展開するのが OKストアです。設立は1958年と古いながらも、1975年に無人スーパーの実験営業、1989年にはビニール袋の有料化に踏み切ったりと、常に時代の先を行く施策をとっている企業です。
EDLPに対する姿勢は非常に徹底しており、競合店の価格よりも高いものがあれば、同じか下げるということをしています。
また、飲食業の 「オーケー食堂」「焼肉 和」も展開していたが、2020年に閉店している。
損益計算書を見ると不動産収益、テナント売上とあるので、不動産関連事業もある。

 

 

 

 

直近の業績

業績はきれいな右肩上がりになっています。
売上は直近で5000億を超えていますね。
また、自社の物流センターも稼働したことにより、利益率も勢いを増してます。

 

セグメント構成

 

セグメントはスーパーマーケットの小売業がほぼメインなので、分けられていないようです。

 

 

 

財務諸表分析

 

 

 

今後のリスク

決算書に記載のあるリスク内容で、個人的に気になった点をピックアップしてみました。

 

① 新規出店店舗の鈍化

毎年10店舗という目標があるようですが、用地取得を含めてなかなか進まないようです。
また、人口密集の都市部を狙っているようなので、尚更選択肢が少ないと思われますね。
1店舗に来店する客数は限度があるので、成長のためには新規店舗出店が必要になります。

 

② 人口減少、高齢化

こちらはどこも共通の課題です。OKストアも例外ではなく高齢化してご来店できなったお客様など今後どうするかが課題です。

 

 

 

 

成長戦略

ホームページなどを見ると、重要素として下記3点を強調されているように思えました。

 

・ 出店10店舗

・ 借入無しで年率20%成長

・ 高齢化への対応

 

そしてこれらを実現するために、下記が重要と読み解きました。

 

① 店舗出店強化
② 新サービスの展開

 

① 店舗出店強化

長年の正直経営とEDLP戦略により、OKストアブランドは定着しきています。あとは物理的にお客様のそばに店舗を出せるかがポイントですね。特に人口密集地域や国道16号線沿いというのがターゲットになっているようです。
また、2019年に寒川と川口の自社物流センターがスタートしたこともあり、センターの効率化恩恵を最大限活かすためにも店舗出店は必要のようですね。
この新規出店強化は「借入無しで年率20%成長」という部分にも影響してきます。
売上が上がらなければ成長率は上昇しません。売上を上げるには既存店舗だけでは来店数を考えれば限界がありますので、新規出店するしかありませんね。ただ、新規出店にはコストが付き物です。
言い換えれば「いかに借入無しの手持ちキャッシュフローで新規出店できるか」になるのかなと思います。
尚、2013年にシンガポールにOK Smart Market Pte.Ltd 会社を海外戦略の拠点として設立していますので、海外展開も進んで行くのかもしれません。

 

 

 

 

② 新サービスの展開

高齢化への対応の流れで下記サービスをLAUNCHしてますね。

 

・ お友達配達 (2021年3月に終了)
・ OK薬局

 

お友達配達については買い物して届けて欲しい人と、届けて上げる人をつなぐマッチングアプリを通したサービス。
ターゲットはスーパーに行くのも大変になってきた高齢者で、高齢化社会に対応するサービスとしてホリエモンも当社は注目していた。しかし、ターゲットが高齢者ということもありアプリを使いこなせず広がっていないのが実情だったらしく、2021年3月に終了してしまいました。ただ、こういった取り組みを早くから続けているのは素晴らしいですね。

 

もう一つの取り組みはOK薬局。 昨今ではスーパーの競合はスーパーではなくCVSやドラッグストアとも言われていますので、
その対策としても薬局を展開するのは理にかなっています。更に、高齢者の方も利用機会が多い薬局の商品をOKストアで提供できれば1ストップソリューションになり、高齢化社会にも適合できるビジネスになりますね。

 

 

社員 元社員の口コミ

 

 

引用元:OPENWORK

 

コメントをみると成長企業であること、勢いがあることなどを挙げているコメントがよく見られます。
給与面では賞与がもらえるランク(チーフ以上)になればそこそこもらえる模様。
また残業代がでないというコメントも多かった。
将来設計を考えると会社とともに社員も成長できるといった仕組みが少ないようにも思えました。

 

 

 

 

まとめ

 

今回はスーパーのOKストアさんでした。
長い間EDLPを貫いてきた企業の強さが感じられる内容でした。
ただ、他のスーパーと同様にスーパー業態の1本足打法というのと、成長戦略は新店開発のみなのもなかなかの大変だなぁと感じました。
個人的に勉強になるなぁと思ったのは社長の理念です。

・不自由のない生活が出来るのは、みんなご先祖のお陰。
・積善の家には必ず余慶あり、善行を積むように心掛ける。

こちらがとても参考になりました。キレイゴトに聞こえますが、人間としてはもちろんですが、ビジネスにおいてもこういった考え方がとても大事だと感じます。
これからも注目の企業でした。

 

 

 

 

 

 

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